お正月をお祝いしたり、雰囲気を味わったりするために欠かせないのが、おせち料理です。
華やかなおせち料理は目を引きますが、食べる理由や食材に込められた意味などを知らない方も多いのではないでしょうか。
おせち料理は、重箱の段ごとに食材や料理が決められています。
この記事では、お正月に食べるおせち料理について、食べる理由やおすすめ食材、安く作るポイントまで詳しく解説します。
お正月におせちを食べる理由って何?
お正月におせち料理を食べる理由は、神様をもてなすための料理をお供えした後、お下がりとしていただくためです。
そもそも、おせち料理の「せち」とは、年間の行事を表す「節句(せちく)」の略。
おせち料理は、この節句の日に食べる料理を表していますが、現在では1年の最初の節句であるお正月料理として知られています。
おせち料理につかわれる食材には、それぞれ「子孫繁栄」や「五穀豊穣」「無病息災」などの願いが込められているのが特徴です。
また、食材をつめる重箱には「福が重なるように」という意味があります。
お正月には「かまどの神様」に休んでもらうため、日持ちする食材が多くつかわれるようになったといわれています。
おせちにおすすめの具材って何?
神様へのもてなしや、人々の豊かさを願う気持ちなど、さまざまな意味が込められたおせち料理。
おせち料理には、どんな料理をつめるか、ある程度決まっているのも特徴です。
ここでは、おすすめの具材を重箱の段ごとに紹介します。
一の重におすすめの具材
重箱を開けたときに、最初に目に入る一の重には、祝い肴や酒の肴などの「口取り」をつめます。
祝い肴とは、不老長寿や子孫繁栄などの願いが込められている料理のこと。
関東と関西で異なり、具体的な食材は次の通りです。
- 関東:黒豆・数の子・田作り
- 関西:黒豆・数の子・たたきごぼう
祝い肴以外の、お正月らしい口取りには、次のようなものがあります。
- 初日の出を表す「紅白かまぼこ」
- 華やかさを表す「伊達巻」
- 学問成就の「昆布巻き」
- 金運をもたらす「栗きんとん」
一の重には、できるだけ隙間ができないよう、さまざまな種類の食材・料理をつめるのがポイントです。
自宅でつめる場合は、二の重以降と比べて、具材の種類が多くなるようにしましょう。
二の重におすすめの具材
一の重の下にくる二の重には、「海の幸をつかった焼き物」をつめていきます。
メインとなる料理をつめる段なので、ある程度の大きさがある食材を使用するといいでしょう。
二の重につめる食材には、具体的に次のようなものがあります。
- 鯛の焼き物
- ブリの焼き物
- 海老
- ハマグリ
鯛は、七福神のゑびす様が手に持っているため、縁起のいい魚とされています。
現在では「めでたい」の語呂合わせから、お祝い向きなものとして親しまれていますよね。
ブリは、成長の段階によって「ワラサ」や「ハマチ」など名前が変化するため、出世魚とされています。
立身出世を願う人には、縁起のいい食材です。
また、長いヒゲをたくわえ、茹でるとお年寄りのように身体が曲がる海老は、長寿の象徴。
ハマグリは、上下の殻がぴったりと重なることから、夫婦円満を願う食材として親しまれています。
三の重におすすめの具材
三の重には、主に山の幸をつかった煮物をつめます。
さまざまな食材を一緒に煮た料理は、「煮しめ」と呼ばれ、家族が仲良く結ばれるよう願いが込められています。
煮しめの代表的な食材は、次のようなものです。
- レンコン
- 手網こんにゃく
- たけのこ
- くわい
レンコンは、穴が開いているため「将来の見通しがきく」という意味があります。
真ん中に切れ込みを入れて内側に巻く手網こんにゃくには、自分の心を引き締める意味が。
上に向かってまっすぐに成長する、たけのこやくわいには、子どもたちの成長や将来の立身出世を願う気持ちが込められています。
三の重には、さまざまな食材を細かく入れるより、煮物だけを重箱いっぱいに入れるのがポイントです。
与の重におすすめの具材
4段目の与の重には、日持ちする酢の物を、箸休めの料理としてつめます。
死を連想させる「四」という漢字はつかわず、「与の重」と表記するのが特徴です。
酢の物には、次のような種類があります。
- 紅白なます
- 菊花かぶ
紅白なますとは、千切りにした大根と人参をお酢であえた料理です。
千切りにした細長い形は、祝儀袋などに用いられる飾り紐の「水引」をイメージしています。
紅白の水引を連想させる「人参のオレンジ」と「大根の白」には、家族の平和や平安を願う意味が込められています。
また、菊花かぶとは、かぶを菊の花に見立てて切り、酢漬けにしたものです。見た目が華やかで、さっぱりした味なので、箸休めにぴったりの料理といえるでしょう。
ちなみに、与の重の下に五の重があるときは、あえて空の状態にしておきます。
空にしておくことで、神様から授かる福をたくさんつめられるように、という思いが込められています。
おせちを作るのはどれくらいの費用がかかる?
おせち料理を作る際の予算は、使用する具材の種類や量によって変わります。
高価な食材やおせち料理用の食材を使用すれば、普段の料理より高くつくでしょう。
おせち料理の代表的な食材の金額目安は、次の通りです。
- 黒豆:300〜1,500円
- 数の子:1,000〜5,000円
- 田作り:300〜2,000円
- 栗きんとん:500〜3,000円
- 煮しめ:400〜3,000円
おせち料理を作る際に高くつくのは、数の子や伊勢海老など、高価な食材を使用する場合です。
1家庭分の食材を買って調理すると、割高になってしまう可能性が高いため、セットのおせちを購入する方が安くすむかもしれません。
一方で、はんぺんと調味料だけで作れる伊達巻や、身近な食材だけで作れる煮物などは、自分で作った方が割安に用意できます。
安くおせちを作るためには?
おせち料理は、身近な食材から普段はつかわない高価な食材まで、さまざま使用するのが特徴です。
こまごまと食材を揃えると、食材費がいつの間にか高額になっていた、なんてこともしばしばあります。
ここでは、安くおせちを作るためのポイントを2つ紹介します。
段を減らす
安くおせちを作るための1つ目の方法は、お重の段を減らすことです。
本来のおせちは、与の重・五の重までありますが、最近は2〜3段のおせちを見かけることの方が多いのではないでしょうか。
海の幸をつめる「二の重」に肉や酢の物をつめたり、段にこだわらず好きな具材を自由につめたりすることも可能です。
また、数の子や海老といった高価な食材をつかわなければ、その分予算を安くおさえられます。
紅白かまぼこや黒豆、伊達巻など、お正月の時期に手に入りやすい食材を重箱につめるだけでも、おせち料理の雰囲気を味わえるでしょう。
出来上がっているおせちを購入する
気軽におせち料理を楽しみたいなら、すでに出来上がっているおせちを購入するのも1つの手です。
街中の百貨店やスーパー、ネット通販や食材宅配サービスなど、さまざまな場所で購入できます。
中でもおすすめなのが、食材宅配サービスによるおせち料理です。
食材宅配の中には、厳選した食材を使用したり、「無添加」にこだわったりするなど、食の安全性を重視している会社があります。
そういった会社を選べば、食材の安全性が高く、身体にもいいのがポイントです。
家族みんなで味わうおせちだからこそ、味や量だけでなく、目に見えない質にもこだわりたいですよね。
ほとんどの場合、予約が必要なので、早めに検討することが大切です。
まとめ
1年の始まりを祝うために食べるおせち料理には、さまざまな願いが込められています。
豪華な料理を味わうだけでなく、食材に込められた意味を知りながら食べると、日本らしさを感じられますよね。
おせち料理は、品数が多く、手間がかかる料理も多いので、自分で作るのは大変です。
そこで、おすすめなのが食材宅配サービスが提供するおせち料理。
食の安全にこだわる食材宅配を選べば、心も身体も喜ぶおせちを、家族みんなで楽しめます。